
髪の主成分はケラチンというタンパク質です。毎日の食事は体と髪を支える土台ですが、食べた栄養がそのまま毛先の傷みを修復するわけではありません。ここでは、髪との関係が気になる栄養素について、働きと食品例を紹介します。
タンパク質:肉・魚・卵・大豆製品などから

タンパク質は体を構成する材料の一つです。肉、魚、卵、豆腐や納豆などの大豆製品を組み合わせ、主食や野菜も含めて食事を整えましょう。極端に食事量を減らしたり、一つの食品だけに偏ったりしないことが大切です。
鉄:不足が気になるときは自己判断で補わない

鉄は、血液中で酸素を運ぶヘモグロビンなどに必要です。肉、魚、豆類、緑の葉野菜などに含まれます。植物性食品などに含まれる非ヘム鉄は、ビタミンCを含む食品と組み合わせると吸収を助けられます。
鉄不足が抜け毛に関係する場合もありますが、抜け毛だけで不足を判断することはできません。鉄のサプリメントを自己判断で増やさず、気になる症状があれば医療機関へ相談してください。過剰摂取や薬との相互作用にも注意が必要です。
オメガ3脂肪酸:魚と植物性食品では種類が異なる

オメガ3脂肪酸にはEPA・DHA・ALAなどがあります。EPAやDHAはサバ、イワシ、サケなどの魚に、ALAは亜麻仁油やクルミなどに含まれます。体の細胞膜などを構成する栄養素ですが、食べれば頭皮の血流が改善して髪が増える、と断定することはできません。
ビタミンA・E・C:食品を組み合わせる
ビタミンAは視覚や免疫などに関わります。ニンジンや緑の葉野菜などに含まれるβカロテンは、体内で必要に応じてビタミンAに変換されます。髪のためにレバーや高用量サプリメントを大量に取る必要はありません。

ビタミンEはアーモンドや植物油など、ビタミンCは果物やパプリカなどから取れます。特定のビタミンを増やせば頭皮のかゆみが治る、髪が丈夫になると考えるのではなく、いろいろな食品を組み合わせましょう。
ビオチン:不足の治療と美容目的の追加摂取を分ける

ビオチンはビタミンB群の一つで、食べ物の代謝に関わります。卵、魚、肉、ナッツや種実類など、さまざまな食品に含まれています。
欠乏すると脱毛などの症状が出ることがありますが、ビオチンのサプリメントで健康な人の髪を増やしたり美しくしたりできるという科学的根拠は限られています。
高用量のビオチンは、一部の血液検査に影響する場合があります。サプリメントを使用している人は、受診・検査の際に製品名や量を医師へ伝えましょう。
まずは食事全体を見直す

主食・主菜・副菜をそろえることを目安に、食事を抜きがち、同じ食品ばかりになる、といった習慣を見直します。忙しい日は、卵や豆腐、魚の缶詰、野菜などを組み合わせる方法もあります。食事制限が必要な病気がある場合は、医師や管理栄養士の指示を優先してください。
不足が疑われる場合の補充は、必要性と量を確認して行います。複数のサプリメントを重ねると成分が重複することもあるため、薬を飲んでいる人や妊娠中の人は医師・薬剤師へ相談しましょう。
抜け毛が続く場合は皮膚科へ

抜け毛には体調、病気、薬、髪の引っ張りなど、さまざまな要因が関係します。急に増えた、部分的に抜ける、頭皮の赤みやかゆみを伴う場合や、変化が続く場合は、栄養不足と決めつけず皮膚科に相談してください。
美容室では、毛先のダメージや扱いにくさに合わせたカット・ヘアケアを相談できます。食事と日々のヘアケアを、それぞれの役割に合わせて考えましょう。
参考:日本皮膚科学会「脱毛症Q18」、米国NIHの栄養情報(鉄・オメガ3脂肪酸・ビタミンA・ビオチン)
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