「体調を崩してから抜け毛が気になる」「髪が以前よりパサつく」と感じても、原因が同じとは限りません。髪そのものの傷みと、毛の生え替わりに関わる変化を分けて考えることが大切です。

抜け毛・切れ毛・手触りの変化は別のこと
抜け毛は毛が抜け落ちる変化、切れ毛は髪の途中で切れる変化です。手触りの悪化には、カラー・パーマ・熱・摩擦・乾燥などが関わることがあります。毛先のパサつきだけから、体の病気や栄養不足を判断することはできません。
いつから気になるのか、全体か一部分か、頭皮に赤みやかゆみがあるかを整理しましょう。美容室では施術履歴や髪の扱い方を確認できますが、病気の診断やホルモンの検査は医療機関の役割です。
体調の変化の後、時間をおいて抜け毛が増えることがある
高熱を伴う病気、出産、大きな心身の負担などの後に、数か月遅れて抜け毛が増えることがあります。ただし、抜け毛にはさまざまな原因があり、すべてをストレスや疲れのせいにしてよいわけではありません。
気になる場合は、最近だけでなく数か月前の体調や生活の変化も医師に伝えると相談の助けになります。服薬が関係していると思っても、自分で薬を中止せず処方した医師に相談してください。

「ホルモンバランスの乱れ」と自己判断しない
出産などに伴う変化や一部の病気が髪に影響する場合はあります。しかし、女性の薄毛を一律に「男性ホルモンが増えたから」と説明することはできません。髪の見た目だけでホルモンの量を推測したり、対策用の食品やサプリメントで調整しようとしたりしないようにしましょう。
抜け毛とともに体調の変化がある場合は、その症状も医師へ伝えてください。必要な検査や診療科は、経過や診察を踏まえて判断されます。
食事と睡眠は体調管理の基本
食事は主食・主菜・副菜を組み合わせ、極端な食事制限を避けましょう。栄養不足が関わる場合もありますが、髪のために鉄・亜鉛・ビタミンなどを多く摂ればよいわけではありません。不足が心配な場合は医師に相談し、サプリメントを自己判断で増やさないようにします。
無理のない生活リズムと休息も大切です。ただし、十分に眠れば傷んだ毛先が修復する、抜け毛が必ず止まるというものではありません。睡眠に悩みが続く場合も、医療機関で相談できます。

体調が優れないときのヘアケア
ケアを増やすより、強く洗う・強く引っ張る・高温を当て続けるといった負担を減らします。熱すぎないお湯で洗い、髪の絡まりは毛先からやさしくほどき、ドライヤーは説明書に沿った距離で動かしましょう。
トリートメントは髪の滑りや手触りを整えるためのものです。使用量や時間は表示に従い、抜け毛の治療や体調回復の代わりとして使わないようにしてください。
皮膚科へ相談する目安
急に抜け毛が増えた、一部分だけ抜ける、分け目や地肌の見え方が変わってきた、頭皮の赤み・痛み・強いかゆみが続く場合は、皮膚科で相談しましょう。生活習慣を直せば治ると考えて受診を先延ばしにしないことが大切です。
受診時には、気になり始めた時期、体調の変化、服用中の薬・サプリメント、カラーやパーマの履歴などを伝えます。髪の変化を自分の生活管理の失敗と決めつけず、原因に合う対応を確認しましょう。
参考:米国皮膚科学会「抜け毛と脱毛の違い」、米国皮膚科学会「脱毛の原因」。
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