美容学生の志望動機の書き方は?サロン見学で見たことを入れた「このサロンだけの理由」の例文

美容学生の志望動機の書き方は?サロン見学で見たことを入れた「このサロンだけの理由」の例文

志望動機が「どのサロンでも通用する文章」になる理由

「お客様に寄り添える美容師になりたい」「技術を学んで成長したい」。志望動機欄にここまで書いて、手が止まっていないでしょうか。読み返して、サロン名だけを別のお店に変えても意味が通じてしまう。そう感じたなら、文章の作り方に原因があります。

原因は、理由が自分の気持ちだけで終わっていて、そのサロンで実際に見た事実と結びついていないことです。「成長したい」は自分の願いであって、なぜそのサロンなのかの答えにはなっていません。他店の名前に差し替えられる文章は、サロンの事実が1行も入っていない文章です。

書き直しに必要なのは文章力より材料

言い回しを磨いても、材料が自分の気持ちだけなら、できあがる文章は変わりません。必要なのは、サロン見学で見たこと・聞いたことの中から、そのサロンにしかない事実を1つ選ぶことです。選んだ1場面を軸にして、「なぜこのサロンなのか」を組み立てます。

使うのは1つで構いません。いくつも詰め込むと、結局どこにでも当てはまる文章に戻ります。

見学メモから「そのサロンならではの材料」を拾う

昼下がり、サロンのある通りの向かい側から、低い花壇の葉を前景に淡くぼかし望遠で撮る。街路樹の下のベンチで、見学帰りの学生役が横向きに座り、膝の無地の手帳へ静かに書き留める。文字なし。

見学の直後に、次の3種類に分けてメモしておくと、あとで志望動機に使いやすくなります。

  • 見た場面:練習していた人の様子、スタッフ同士の声かけ、お客様を迎える動き、バックヤードの使われ方など
  • 聞いた言葉:案内してくれた人や先輩スタッフが話したこと。言葉をそのまま書き留めます
  • 確認できる情報:募集要項やサロンの公式な発信に書かれていること

ここで気をつけたいのは、事実と感想を分けて書くことです。「雰囲気が良かった」は感想で、そのまま志望動機に入れても他店に差し替えられます。「閉店後、先輩がアシスタントの練習に手を止めて声をかけていた」は事実です。感想は、この事実に対して自分が何を感じたかを添えるときに使います。

見学で聞いておくと使える質問の例

見るだけでは材料が足りないときは、見学中に質問して材料を増やせます。志望動機のために聞くなら、次のような質問が使えます。

  • 「アシスタントの練習は、営業時間の前後のどの時間帯に行いますか。誰が見てくれますか」
  • 「先輩がアシスタントに声をかけるのは、どんな場面が多いですか」
  • 「入社1年目の方は、1日の中でどんな仕事を担当していますか」

回答は、そのサロンについて自分が聞いた話として扱います。たまたま見た1日の様子を、そのサロンの制度や毎日の姿のように書くと、面接で「それはいつも?」と聞かれたときに答えられません。「見学した日に」「案内してくださった方から伺ったところ」と情報の出どころを添えて書くのが安全です。

避けたい材料

「スタッフの方が優しそうだった」「アットホームな雰囲気だった」「技術力が高いと感じた」は、多くのサロンの志望動機にそのまま書けてしまいます。見た場面が思い出せないなら、見学の時点ではまだ材料が足りていません。応募前にもう一度、ホームページや募集要項、スタッフの発信を読み直して補うか、問い合わせができるなら質問で補います。

材料を志望動機の形にする順番と、書き直しの例

夕方の美容学校の校舎を、開け放った窓枠越しに屋外から目線の高さの中距離で撮る。画面右寄りで学生役が机に横向きで座り、書き終えた無地の用紙の端を揃える。左は窓枠と淡い光。文字なし。

材料が1つ決まったら、次の順番で並べます。

  1. 自分の経験や価値観(学校の実習、アルバイト、練習で悩んだことなど)
  2. そのサロンで見た事実(いつ、どんな場面を見たか)
  3. 入社後に取り組みたいこと

経験から始めるのは、事実だけが先に出ると「見学の感想文」になってしまうためです。自分の経験があるから、その場面に目が止まった。この流れがあると、サロン名を差し替えられない文章になります。

前後比較(架空の例)

次の2つは、書き方を比べるために作った架空の例です。実在するサロンの事実ではありません。

書き直す前

お客様に寄り添える美容師になりたいと思い、貴店を志望しました。技術を学べる環境で成長し、多くのお客様に喜んでいただきたいです。

この文章は、サロン名を変えても、学校名を変えても、そのまま使えてしまいます。

書き直した後

学校の実習で、ウィッグを一人で切り続けて、どこが違うのか分からなくなった経験があります。見学の日、閉店後の練習でアシスタントの方がカットをしていると、先輩が手を止めて「今の毛先、もう一度見せて」と声をかけている場面を見ました。練習を一人にせず、その場で直せる環境だと感じ、貴店を志望しました。入社後は、先輩に確認してもらう機会を活かして、基礎のカットを早く正確に身につけたいです。

変わったのは言葉の上手さではなく、自分の経験と、見学で見た1つの場面が入ったことです。「見学の日に見た」と書いてあるので、事実の範囲も守られています。

仕上げの点検

書き終えたら、次の4点を確かめます。

  • サロン名を他のお店に差し替えて、文章が成り立たないか。成り立つなら、事実がまだ足りません
  • 見学で見た場面を、日付や状況まで自分の言葉で説明できるか
  • 面接で「それはどんな場面でしたか」と深掘りされても、続きを話せるか
  • 入社後にやりたいことが、書いた場面とつながっているか

3つ目は特に、面接で話すことを想定した点検です。志望動機に書いた内容は、面接でそのまま質問されます。見ていない場面や、実際より大きく書いた内容は、深掘りされた時点で詰まります。自分が見たことだけを書いておけば、話す内容に困りません。

書き直しても場面が1つも思い浮かばないときは、文章を直し続けるより、見学のメモを見返すか、もう一度サロンを見に行くほうが近道です。次の見学では、冒頭の3種類(見た場面・聞いた言葉・確認できる情報)を意識してメモを取ってみてください。

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