「髪によい成分」という言葉には、食事から摂る栄養素と、シャンプーやトリートメントに配合される成分が混在しています。どこに、何のために使うものなのかを分けて確認しましょう。

亜鉛:不足への対応と、追加摂取は別
亜鉛はタンパク質やDNAの合成などに必要な栄養素で、不足が脱毛に関係する場合があります。ただし、抜け毛だけで亜鉛不足とは判断できません。十分に摂れている人がさらに増やせば、髪が早く伸びたり、AGAや白髪、フケが改善したりするとはいえません。
肉・魚介類・卵・豆類など、さまざまな食品を組み合わせて摂ることを基本にします。サプリメントによる過剰摂取は吐き気や銅不足などを起こすことがあり、薬との相互作用もあります。不足が気になる場合は医師などに相談しましょう。

ビタミンE:髪の成長を保証するものではない
ビタミンEは抗酸化作用をもつ栄養素で、ナッツ類や植物油などに含まれます。一方、摂取すれば頭皮の血流が改善して髪が増える、枝毛を防げる、と一律には説明できません。食事からの摂取と、ヘアケア製品への配合も同じ働きとは限りません。
高用量のビタミンEサプリメントには出血リスクや薬との相互作用があるため、髪のために自己判断で量を増やすことは避けてください。
シリコーン:毛先の指通りを整える成分
ヘアケア製品で「シリコン」と呼ばれることが多いシリコーンは、髪表面の滑りやまとまりを整えるためなどに配合されます。食事で補う栄養素ではなく、毛根に栄養を届けたり発毛を促したりするものではありません。
シリコーンが入っているかどうかだけで製品の良し悪しは決まりません。重さが気になる場合は使用量やつける範囲を見直し、髪質と仕上がりに合うものを選びます。熱保護の機能も、成分名だけで判断せず製品表示を確認しましょう。

長さを保つには、切れ毛を減らすケアも
髪の成長速度を無理に上げようとするより、毛先の摩擦や熱の負担を減らすことも大切です。タオルで強くこすらず、絡まりは毛先からほどき、アイロンは乾いた髪に短時間で使います。トリートメントは表示された量・頻度で使ってください。
傷んだ毛先のカットは、引っかかりや形を整える選択肢ですが、切れば毛根から伸びる速度が上がるわけではありません。伸ばしたい長さと毛先の状態を美容師に伝え、必要な範囲を相談しましょう。

抜け毛や薄毛が気になる場合
急に抜け毛が増えた、一部分が抜けた、頭皮に赤みやかゆみがある場合は、成分選びだけで対処せず皮膚科に相談してください。原因によって対応は異なり、美容室では脱毛の診断や治療はできません。
参考:米国NIH「亜鉛」、米国NIH「ビタミンE」、花王「洗髪のQ&A」
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