雨の日は、朝に整えた髪が広がったり、巻き髪が取れたりしやすくなります。すべてを真っすぐにする方法だけでなく、くせを生かす髪型やまとめ髪も含めて、日常で取り入れやすい対策をご紹介します。
目次
湿気で髪が広がる理由

髪は空気中の湿気を吸ったり、水分を放出したりします。湿度が高くなると、セットした形を支える水素結合の状態が変わり、もともとのくせが出たり、カールが崩れたりします。

梅雨の時期や湿度は地域・天候・室内環境によって異なります。湿度や髪の水分量を一律の数値に当てはめるより、自分の髪がどのような場面で扱いにくくなるかを見て対策を選びましょう。

丁寧にセットしても湿気の影響を完全に避けられるわけではありません。高温を繰り返し当てて対抗するのではなく、日々の負担を減らすことも大切です。
湿気の影響と髪質・ダメージ

くせやうねりがある髪は、湿気で毛流れがそろいにくくなることがあります。直毛でもスタイルが崩れることはあり、日本人の何割がくせ毛かという数字だけでは、個々の扱いやすさを判断できません。
年齢とともに髪の印象が変わったとき

年齢とともに太さやハリ、うねりの感じ方が変わることがあります。ただし「顔がたるむと毛穴が楕円になり、くせ毛になる」と単純に説明できるものではありません。最近の施術や髪の状態も含めて確認します。
ダメージによる広がり

カラーやパーマの繰り返し、熱・摩擦などで髪が傷むと、ざらつきや広がりが気になる場合があります。生まれ持ったくせと、傷みによる手触りの変化を分けて考えましょう。
頭皮の乾燥と髪のくせは分けて考える

頭皮が乾燥しているから髪が湿気を過剰に吸う、と一律に判断することはできません。乾燥やかゆみがある場合は、洗いすぎや使用製品を見直し、症状が続くときは皮膚科に相談してください。
生活習慣だけで髪質を変えようとしない

食事や睡眠は健康づくりの基本ですが、タンパク質を多く摂れば既に生えたくせ毛が直毛になるわけではありません。極端な食事制限を避け、偏りの少ない食事を心がけましょう。

成長や年齢に伴う変化もあります。急な抜け毛や頭皮の異常を伴うときは医療機関へ相談し、普段のくせの扱い方は美容師と一緒に考えてみてください。
関連記事:くせ毛を生かす髪型とスタイリング
梅雨対策で見直す8つのこと

以下の8つを、髪の長さ・くせ・施術履歴に合わせて選びます。すべてを実行する必要はなく、薬剤を使う施術は髪への負担も含めて相談しましょう。
① スタイリングする場所の湿気を減らす

入浴直後で蒸気がこもった洗面所では、髪を整えにくい場合があります。換気や除湿を行い、必要なら蒸気の少ない場所へ移ってスタイリングしましょう。

湿度計は室内の状態を知る目安になります。ただし、特定の湿度に保てば外出後も髪型が崩れないというものではありません。梅雨だからと加湿を増やしたり、乾燥させすぎたりせず、室内環境に応じて調整してください。
② 根元から乾かして冷ます

タオルでこすらず水分を取り、根元からドライヤーで乾かします。髪が温かいままだと形が変わりやすいため、仕上げに冷風などで冷ましてから確認しましょう。

襟足や耳の後ろなどは乾かし残しが出やすい場所です。指で髪を分けながら風を通し、同じ場所に熱を集中させないようにします。生え方は人それぞれなので、必ず後ろから前へ乾かす必要はありません。根元の向きと目指す形に合わせます。
乾かしすぎも避け、髪が乾いて形が整ったら加熱を続けないでください。くせが強い部分を無理に引っ張って伸ばすのではなく、美容師に乾かし方を確認しましょう。
③ 洗い方とヘアケアを見直す

汗や皮脂、スタイリング剤を落として頭皮を清潔に保ちます。「湿気で毛穴が詰まると、髪が細くなってくせ毛になる」と決めつけることはできません。

シャンプーは洗い上がりと頭皮の状態に合わせて選びます。サロン専売・アミノ酸系なら必ず低刺激、硫酸系の成分があれば必ず不適切、という判断はできません。製品全体の処方や使用量も関係します。
- 熱すぎないお湯で髪と頭皮を十分に予洗いします。
- シャンプーを泡立て、爪を立てず指の腹で頭皮をやさしく洗います。
- 生え際・耳の周り・襟足まで、すすぎ残しがないように流します。
- コンディショナーやトリートメントは毛先を中心に使い、表示どおりにすすぎます。
関連記事:シャンプーとトリートメントの使い方
④ アイロンは乾いた髪に短時間で

アイロンは十分に乾いた髪に使います。毛束を厚く取りすぎず、機器の説明書に従って低めの温度から調整し、同じ部分を何度も挟まないようにしましょう。160〜180℃がすべての髪に適するわけではありません。
巻き髪は熱を外してから冷ます

湿気対策として加熱時間を延ばしたり、巻きつける回数を増やしたりすることはおすすめしません。適量の毛束を短時間で整え、アイロンを外してからカールを崩さず冷まします。温度を高くすれば安全に長持ちする、というものではありません。
外出先で崩れたとき

ピンでサイドを留めたり、ゆるくまとめたりする方法もあります。雨や汗で湿った髪へ、そのまま携帯用アイロンを当てないでください。完全に乾かせない場合は、熱を使わない手直しを選びます。
⑤ ストレートパーマ・縮毛矯正を相談する

広がりを抑えて真っすぐな仕上がりを目指すなら、薬剤を使う施術も選択肢です。ただし、髪の状態や希望するボリュームによって向き不向きがあります。
ストレートパーマ

一般に、かけたパーマを落とすなどの目的で使われます。強い地毛のくせを十分に伸ばせるとは限りません。メニュー名はサロンによって異なるため、アイロンを使う施術か、どの程度くせを伸ばせるかを確認しましょう。
縮毛矯正

薬剤と熱を使ってくせを伸ばす施術です。施術した部分の形は長く続きますが、傷みや仕上がりに個人差があり、絶対に戻らない・すべての湿気の悩みがなくなるとは保証できません。新しく伸びた根元には元のくせが出ます。
ブリーチやパーマなどの履歴を伝え、必要な範囲と施術間隔を相談してください。関連記事:ストレートパーマと縮毛矯正の違い
⑥ くせを生かすカットやパーマを考える

くせを伸ばす以外に、カットでシルエットを整えたり、必要な部分にカールを足したりする考え方もあります。パーマをかければ必ずくせが消えるわけではなく、広がりが増える場合もあるため、施術前に相談しましょう。

以下は2020年公開時に掲載したスタイル例です。今の髪質と長さに合わせて、再現しやすい乾かし方も確認してください。
ショート:トップの動きを生かす

トップに動きをつけたショートの例です。ふんわり感はパーマだけでなく、カットや乾かし方でも変わります。掲載時の使用整髪料はN. スタイリングセラムです。
ミディアム:カールとシルエットを調整

動きのあるミディアムの例です。顔まわりやボリュームの位置を調整して、自分に合うバランスを探します。どの顔型にも同じ形が合うとは限りません。掲載時の使用整髪料はN. スタイリングセラムです。
ロング:毛先のカールを生かす

デジタルパーマで毛先に動きをつけたロングの例です。乾いた状態のカールを生かすことが多い施術ですが、必要な乾かし方は仕上がりによって異なります。掲載時の使用整髪料はN. ポリッシュオイルです。
⑦ ゆるくまとめるアレンジを取り入れる

湿気で形が崩れやすい日は、無理に何度も伸ばすより、ゆるくまとめると扱いやすい場合があります。頭皮が痛くなるほど強く結ばないようにしましょう。
くるりんぱを使ったポニーテール

- 結びたい位置で、髪をゆるく一つにまとめます。
- 結び目の上を分け、そのすき間へ毛束を通します。
- 絡まりがないか確認しながら結び目を整えます。
- 結び目を押さえ、トップを少しずつ引き出して形を整えます。
ラフなお団子

- 髪を一つにまとめて結びます。
- 毛束をゆるくねじり、結び目の周りへ巻きつけます。
- 毛先を収め、ピンで固定します。
- ピンが頭皮に当たらないか、強く引っ張っていないかを確認します。
⑧ スタイリング剤・オイルを適量使う

整髪料やオイルは、ツヤ・まとまり・形の保持を助けます。ただし、どの製品でも湿気の侵入を完全に防げるわけではありません。重くなりすぎない量から試しましょう。
N. ポリッシュオイル

ツヤやウェットな質感、毛先のまとまりを出したいときの選択肢です。仕上げに少量ずつなじませます。

N. スタイリングセラム

ツヤを出しながら毛流れや動きを整えるスタイリング剤です。必ず強く固定するワックスというわけではなく、つける量や髪質によって仕上がりが変わります。

つけすぎを避けるコツ

手のひらに広げ、中間から毛先、内側になじませてから表面を整えます。根元につけすぎると重く見えやすいので、必要な範囲へ少しずつ足しましょう。

前髪は、手に残った少量で調整するとつけすぎを避けやすくなります。目や顔につかないように注意してください。
洗い流さないトリートメントは倍量にしない

湿気が多いからと、いつもの倍量をつける必要はありません。濡れた髪用・乾いた髪用などの表示を確認し、髪の長さと毛量に合う量で使います。ムラが気になる場合は毛束を分け、目の粗いコームなどで無理なくなじませましょう。
まとめ

梅雨の対策は、乾かし方や製品の量を調整することから始められます。熱を強めたり薬剤を重ねたりする前に、アレンジやカットも含めて相談しましょう。髪の状態に合う方法を選ぶことが、扱いやすさにつながります。
