辞めると決めたあと、最初に店長へ何を言えばいいのか
「閉店後に呼び止めるのは唐突かな」「オーナーより先に店長に言っていいのか」「引き止められたらどう断ろう」。退職を決めてから実際に切り出すまでの間は、この3つで悩む人が多いはずです。
先に答えを書くと、切り出す前に固めておくのは次の3つだけで足ります。
- 退職の意思(相談ではなく、辞めると決めていること)
- 伝える相手の順番
- 希望する退職時期の目安
転職先が決まっているか、退職理由をどこまで細かく話すか、引き継ぎの段取りをどうするかは、最初の場で決め切っていなくても構いません。退職日や引き継ぎは、意思を伝えたあとに店長と一緒に詰める話です。最初の場で全部を説明しようとすると、話が長くなって引き止められやすくなります。
伝える順番の基本は「直属の上司から」

順番に迷ったときは、シフトや予約の管理を任せている店長など、日々の業務で直接やり取りしている上司に最初に伝えるのが無理のない形です。オーナーが先にほかの人から話を聞くと、店長は報告を受けていない立場になり、その後の相談がこじれやすくなります。
ただし、店長とオーナーが同じ人の場合や、オーナーが現場に立って人事も見ている小規模なサロンなど、店の体制によって最適な相手は変わります。迷うときは次の順で確認してください。
- 就業規則や雇用契約書に、退職の申し出先(「直属の上長に」など)が書かれていないか見る
- 書かれていなければ、普段シフトの相談や休みの申請をしている相手を最初の相手にする
- 店長からオーナーへの共有は、自分で直接話すのか、店長に任せるのかを、最初の面談で店長に聞く
3つめの確認があると、「オーナーには自分から話します」「いえ、私から伝えます」と役割が決まり、誰が知っているのか分からない状態を避けられます。
切り出す時期は4つの条件を並べて決める
「いつ言うのが正解か」は一律には決まりません。次の4つを並べて、自分の場合を見てください。
就業規則の退職申し出の期限
最初に確認するのは就業規則です。退職を申し出る時期の定めが書かれていれば、その期限から逆算して切り出す日を決めます。期限の考え方や例外は会社の規定や雇用形態で変わるため、数字は自分の就業規則と雇用契約書で確認してください。見つからなければ、切り出すときに店長へ「規定上はいつまでに申し出ればよいですか」と聞けば足ります。
繁忙期や大きなイベントの時期
サロンごとに忙しい時期があります。自分のサロンで予約が詰まりやすい時期、撮影やコンテスト、スタッフの休みが重なる時期を思い出し、その直前や最中は避けると、話を聞いてもらいやすくなります。ただし、忙しい時期を避け続けると、いつまでも切り出せません。「この日までには言う」という自分の期限も先に決めておくと、先延ばしを防げます。
担当のお客様の予約状況
数か月先まで予約が入っているお客様がいる場合、最終出勤日の希望によって、案内の仕方や引き継ぎの量が変わります。スケジュール帳やカルテで、先の予約がどこまで入っているかを見てから希望時期を考えましょう。
転職先の選考状況
内定が出て入社日が決まってから切り出すのか、選考の途中で切り出すのかで、リスクが変わります。選考中に伝えて内定が出なかった場合、辞めると言ったあとの職場にとどまる気まずさが残ります。一方、内定後なら入社日を先方と調整しなければならず、サロン側の都合とずれると調整が難しくなります。
転職先には入社可能日を聞かれるので、就業規則の期限をもとにした最短の退職日を自分で把握しておくと、両方の話を無理なく進められます。選考の進み具合は人それぞれなので、「どの段階で言うか」を先に自分で決めておくと迷いが減ります。
切り出す場の作り方と、避けたい伝え方

店長に退職を伝える場は、お客様の予約の合間や営業中の立ち話ではなく、落ち着いて話せる時間に設けます。当日いきなり呼び止めるより、事前に時間をもらうほうが、相手も心の準備ができます。
事前のお願いは、短く用件をぼかさない言い方にします。
「今後のことでお話ししたいことがあります。今週か来週で、10分ほどお時間をいただけませんか。」
「相談があります」と言うと、悩みの相談だと受け取られ、解決策を出される形になりがちです。「お話ししたいことがあります」なら、続く本題が退職の意思でも不自然ではありません。
伝え方で避けたいのは次の4つです。
- 店長より先に、同僚や後輩に話してしまう(噂として先に店長の耳に入りやすくなります)
- 理由の中でサロンや特定の人への不満を並べる
- 退職日を「この日で辞めます」と一方的に決めて通告する
- お客様へ先に伝える
退職日は、店長との面談で「希望は○月ごろですが、サロンの状況に合わせて相談させてください」と、希望として伝えるほうが話が進みます。
退職理由の言い回しと、引き止められたときの返し方
理由は、店への不満ではなく自分が次にやりたいことの形にして伝えると、角が立ちにくくなります。話が長くなるのも避けられます。
「ここで学ばせてもらったことを土台に、次はお客様との関わり方を変えて挑戦したいと考え、退職を決めました。」
「自分の今後のキャリアを考えて、環境を変えて続けたいと決めました。いろいろ教えていただいたので、最後まで引き継ぎはきちんとします。」
実際の理由が人間関係や待遇に関するものでも、最初の場で細かく話す必要はありません。聞かれたときに、事実を短く、責める口調にならないように答えれば足ります。
引き止められたときは、返す内容を3パターンに分けて用意しておくと慌てません。
- 待遇や環境を変えるから残ってほしいと言われたとき:「そのお話は本当にありがたいです。ただ、考えて決めたことなので、気持ちは変わりません」と、感謝と結論を分けて伝えます。
- 「もう少し待ってほしい」と言われたとき:就業規則の期限やお客様の予約状況を踏まえ、「いつまでなら調整できるか」を一緒に探します。期限なしの先延ばしには応じず、「来週の○曜日までにもう一度話しましょう」と次の日付を決めておきます。
- 感情的に責められたとき:その場で言い返さず、「今日は意思をお伝えしたくて時間をいただきました。具体的な段取りは後日あらためて相談させてください」と区切ります。
引き止めに「検討します」と答えると、残る可能性があると受け取られます。考え直すつもりがないなら、その言葉は使わないでください。
切り出した後の最初の一歩:退職日の相談で確認する項目
意思を伝えたあとは、店長と退職日の相談に入ります。その面談でまとめて確認しておきたいのは次の項目です。
- 最終出勤日と、退職日(籍が残る最終日)の違い
- 有給休暇が残っているか、使えるか、その扱い
- 担当のお客様への案内の方法とタイミング(誰がどう伝えるか、自分でSNSやLINEで伝えてよいか)
- 最終出勤日までの予約の入れ方(新規は止めるのか、既存のお客様はどこまで受けるのか)
- サロンへ返却するもの(鍵、制服、名札、貸与品など)
- 退職後に必要な書類を、いつ誰から受け取れるか
- オーナーや他のスタッフへ周知する日と順番
面談の最後には、決まったことを自分から「では、最終出勤日は○月○日、お客様へのご案内は○日から、という形で進めます」と口頭で確認します。そのあとにメッセージや簡単なメモで残しておくと、後から話が食い違うことを避けられます。
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